代表理事挨拶[任期:2024年-2026年]
土肥 薫(三重大学大学院医学系研究科 循環器・腎臓内科学)
Kaoru Dohi, MD, PhD, FJCC
このたび、2024年11月より第15代の代表理事に就任いたしました土肥薫です。1987年に就任された初代代表理事・坂本二哉先生から受け継がれてきたバトンを、このたび竹石恭知先生から引き継ぎましたこと、大変光栄に存じます。同時に、その責任の重さを深く感じ、身の引き締まる思いでおります。
日本心臓病学会は、臨床心臓病学の発展を長年にわたって牽引し、多くの先生方およびメディカルスタッフの皆様と共に、心臓病学の奥深さと学びの喜びを共有しながら成長を続けてまいりました。現在、5,000名を超える会員の皆様の支えのもと当学会は活動を展開しており、さらにAmerican College of Cardiology (ACC) との深い交流の歴史も有しています。微力ではございますが、この伝統を引き継ぎつつ、本学会のさらなる発展に全力を尽くしてまいりますので、会員の皆様の温かいご支援とご協力を心よりお願い申し上げます。
本学会は、“general cardiology”を基盤とし、臨床心臓病学に関する諸問題を幅広く議論する場を提供するとともに、若手医師の教育を重視して活動しております。現代の心臓病は他臓器との連関が複雑化し、他疾患との併存も増加している中で、こうした複雑な病態に対応できる臨床医を育成することが、今後の日本における心臓病学の進展に不可欠だと確信しています。近年、循環器領域を志す若手医師の減少が懸念される中で、学会としても若手医師や医学生の積極的な参加を促進する活動を展開してまいります。具体的には、40歳前後の会員を中心とした領域横断的チーム“J-NECST”の活動を充実させ、若手医師が興味を持ちやすく、参加しやすい学術集会を目指していきます。また、医療DXの進展や働き方改革への対応が求められる中、ガイドライン改定の頻度も増加しており、医師には確かな臨床力と同時に柔軟な適応力が求められる時代となりました。本学会としては、幅広い年齢層の実地医家のニーズを正確に把握し、積極的な情報発信と連携を一層強化してまいります。 日本心臓病学会は『Journal of Cardiology』および『Journal of Cardiology Cases』の2誌を発刊しております。『Journal of Cardiology』は、2023年にResearch Letterを新設するなど、時代のニーズに応じた進化を続けております。本学会誌を、日本発の知見を世界へ発信する貴重な場として、会員の皆様に積極的にご活用いただけることを願っております。
これらの活動は、定款第3条「心臓血管病学研究の推進とその成果の臨床的普及をはかり、これを通じて学術文化の発展と国民の福祉の向上に寄与すること」に適うものと信じます。今後も、循環器連合の一員として社会的責任を果たし、持続的な発展を目指してまいります。そのためには、多くの皆様のご意見を取り入れながら、共に力を合わせて学会運営に取り組んでまいります。どうぞ変わらぬご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。